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ロックの部屋

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MOONRIDERS

ムーンライダース『ゴールデン・ベスト』



ようこそ、モダン・ポップの世界へ。
【はっぴいえんど】と共に日本語のロックの先駆者でもあった鈴木慶一率いる【ムーンライダース】、はっぴいえんどよりもマイナーな存在だったかもしれないけど、高品位なモダン・ポップは独特の世界感を持っていました。マイナーと言うよりも革新的すぎて理解されなかったといったほうがいいかもしれない。

サウンドは至ってシンプルだと思う。言葉に引っ張られる感じ。摩訶不思議な歌詞。

《無防備都市》
♪おれが夢みてるすきに 影はシーツを滑り
 ヒールの見える窓から
 Making love in the shoes

 影は饒舌すぎて おれの脳の半分を
 かって気ままな気分で
 Sold out midnight market
 愛はSleeping time

 暗くなるまで待っても 影は帰ってこない
 内在する不安感 無防備なおれのからだ♪

まるで二面性を持っている二重人格者、影は自分の分身。この曲はギターのリズムがニューウェーブ色強いナンバーだ。

《スタジオ・ミュージシャン》
♪扉の向こう側に 響く靴の音
 いつものパイプ椅子に
 きざむ恋の唄
 紙コップに置き忘れた
 夢を知らない
 I’m Studio Musician
 いつからか

外では 夏の雨が 流す思い出に
 言葉にならぬ声で
 別れ告げるだけ
 肩はまだふるえている
 君を抱けない
 I’m Studio Musician
 今はもう

 錆びついた 指先から
 夜は明けてく
 I’m Studio Musician
 今日からは♪

これは切ないバラード。スダジオ・ミュージシャンの哀愁。スターを夢みたミュージシャンも今はもう地味なStudio Musician、愛した君も失ってしまったのか。

ムーンライダースは【はちみつぱい】というバンドを母体にして1975年に結成されました。ジャンルにとらわれない音楽要素と日本語の拡がりを感じさせてくれた素晴らしい音楽を創造していました。聴いて熱くなるような音楽ではないけど、お洒落なロックだったなと思います。今も現役だと思いましたが……


(「スタジオ・ミュージシャン」は『ゴールデン・ベスト』の中にはありません。)


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